【内山竣太選手 寄稿】フィンランドサッカー

フィンランドでプレーし始めて3年目、今シーズンも終盤に差し掛かってますが、今までフィンランドリーグについて詳しく解説してこなかったので、今回は自分の知ってる範囲で皆さんにシェアします。

プロリーグ

1部 Veikkausliiga

・12チーム構成
・全体の35% 113選手が外国籍選手
・田中亜土夢選手がHJKヘルシンキ所属
・優勝チームはUEFA CLの予選へ
・他2チームはEurope league 又はconference league予選へ
・平均入場者数は1500〜6000人ほど

外国人選手たちはもちろん、現地のフィンランド人たちも仕事をせず、サッカーのみの生活になります。

フィンランドのサッカーはカテゴリー問わずに学生と両立しながらの選手も多くいます。

全世界のサッカー選手の市場価値が見れるwebサイト「Transfermarkt」によると、日本のJ3よりも市場価値の高いリーグになっています。

また、フィンランド代表選手はもちろん、隣国エストニア、中堅国のアゼルバイジャンやブルキナファソ代表選手たちが所属しています。

12チームの2回戦総当たりで22試合をこなした後、上位下位6チームずつに分かれ、昇格降格ラウンドを行い、優勝チーム、降格チームが決まります。

最下位チームが2部へ自動降格、11位チームは2部の2位とホーム&アウェーで争います。

2部 Ykkosliiga (所属カテゴリー)

・10チーム構成
・全体の20.6% 52選手が外国籍選手
・日本選手が最多の8人
・2部以上が全国放送
・平均入場者数は300〜1700人ほど
・1部所属のユースチームが在籍

外国人選手たちは基本的にサッカーのみの生活になり、フィンランド人も上位数チームになるとサッカーのみの生活になります。

それでも、リーグの半分以上のフィンランド人たちはメインの仕事を持ちながら、サッカーでもお金をもらう生活スタイルです。

TransfermarktによるとJFLよりも高い市場価値になります。

実際に日本の地域リーグから移籍してきた選手たちは、「日本人の方が技術は圧倒的に高いが、球際やフィジカルバトル、その瞬間に賭ける攻防はフィンランド2部の方が圧倒的に激しい」と口を揃えて言います。

昨年末から始まったワーキングホリデービザでもプレーできるリーグのため、お得な日本人選手の需要が高まっている印象です。

トリニダード・トバゴや、ソマリア、ニカラグア代表選手たちが所属しています。

リーグ全体の平均年齢が23.6歳とかなり若く、フィンランドや近隣諸国の世代別代表選手たちが多く所属するリーグになっています。

10チーム3回戦総当たりの27試合を行い、優勝チームが1部へ自動昇格、2位が1部11位と入れ替え戦を行います。

最下位が3部へ自動降格、9位が3部2位との入れ替え戦になります。

・KTP ・TPS ・Jaro といったこのカテゴリーの上位常連クラブになると、サポーターもかなり熱く、2000人以上入ることもあります。これらのクラブとのアウェーゲームは気持ちがいつも以上に高まります。

セミプロリーグ

3部 Ykkonen

・12チーム構成
・全体の11.6% 37選手が外国籍選手
・日本人選手がナイジェリア人と並び最多の6人
・3部以上が全国リーグ
・平均入場者数は数百人〜700人ほど

3部リーグから全国リーグになりますが、基本的にチームとしてはアマチュアになります。

外国人選手個人の契約内容がサッカーのみで生計を立てられる場合はありますが、現地のフィンランド人たちは基本的に仕事を別でしています。

Transfermarkt での市場価値自体はつきませんが、試合数、得点、アシストなどと言った詳細な情報は掲載されるので、次の移籍には役立ちます(JFL同様)。

このカテゴリーでも、ワーキングホリデービザにより日本人選手の需要が高まっています。

12チーム2回戦総当たり22試合を行い、上位下位6チームずつに分かれ、昇格降格ラウンドを行った後、優勝チームが2部へ自動昇格、2位が2部の9位と入れ替え戦、下位2チームが4部へ自動降格になります。

アマチュアリーグ

4部以下は完全アマチュアリーグになります。

4部は地域ごとに10.10.11チームの3グループに分かれています。

5部以下のチームの全容把握はかなり難しいためここでは省略させてもらいます。

フィンランドサッカー

フィンランドはそもそも人口が日本の約20分の1
約550万人なのでプレイヤーのみならず、サッカーに携わるリソースもかなり小さいです。

また国土の半分が北極圏に位置し、ウィンタースポーツが盛んなため、サッカーの盛り上がりはアイスホッケーなどに比べると劣ります。

そのため、シーズン序盤の試合だと、ピッチのみが雪かきされた状態での試合、吹雪の中での試合も珍しくありません。

それでもここ最近多くのフィンランドのトッププレイヤーが海外に移籍したり、国内リーグが数カテゴリープロ化されたこと、HJKヘルシンキがELに出場するなど、近年急激に成長してるリーグの一つです。

日本と比べると観客数、レベル、スタジアム等のハード面も改善の余地がありますが、それでも無名の日本人が挑戦しに来る上では十分にチャンスがある国です。

レベル感に関してよく質問されるのですが、サッカーのスタイルそのものが全然違うので一概に比較はできません。

それでもよく言われるのが
・フィンランド1部がJ2〜J3レベル
・フィンランド2部がJ3〜JFLレベル

それ以降はそれに伴うと言われています。

Jリーグとプレミアリーグが全く比較できないように、フィンランドリーグの比較もかなり難しいです。

また、フィンランド語が第一言語ですが、サッカーをしてる若者たちは基本的に英語も堪能です。なので、英語学習をする上でもメリットになります。

ビザ上の難しさなどはありますが、ワーキングホリデービザを取得してくるなど一工夫さえすれば、サッカー選手としての市場価値を手にし、より高いレベルへの挑戦権を手にすることも可能です。

海外へサッカー共に挑戦したい選手たちは是非フィンランドも可能性の一つとして考えてみてください。

 

個人としては来季1部リーグへ個人昇格を目指していますが、それと同時に他国も考えています。

たくさんの可能性を模索しながら引き続きリサーチしていきます。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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内山選手note

 


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