【内山竣太選手 寄稿】フィンランドサッカーの黒い部分

本人提供

先日 Yle Areena と言われる日本で言う Tver ようなフィンランド版無料ストリーミングサイトにて、フィンランドサッカー界の黒い部分に触れていたので、今回はその話しについてシェアします。

この放送を簡単に要約すると、サッカーの代理人、エージェント会社などによって、他国の若手選手達向けの詐欺がフィンランドで頻発してると言うものでした。

被害者として取り上げられていたのはブラジル、アフリカからの10代、20代前半の若者です。 

渡航前にSNSなどで知り合い、言葉巧みに 給料、家、ご飯、ボーナスなどのプロ契約が用意されていると謳います。

彼らはまだ10代と言うこともあり、家族などから渡航資金、詐欺エージェント達に払うお金を借金してフィンランドへ来ました。

その後、彼らがフィンランドへ渡航してきてからのパターンは様々です。

・給料は一切なく、ろくに食事も取れず公園の飲み水を飲む選手
・1日1食で耐え凌ぐ選手
・劣悪な居住環境での生活を強いられる選手
・ビザもなくただただトレーニングだけをする選手
・ペットボトル、缶、瓶などを集めわずかながらの収入を得ていた選手

こんな環境でサッカーのパフォーマンスを向上させれるはずがありません。

この中には公式戦には出場できていた選手もいます。

しかし、彼らはギャンブルの道具として使われ、得点数や失点数、コーナーキックの数などを悪人達の言われるがままにプレーすることを余儀なくされたそうです。

それに従えばそれに応じた報酬、背けばもちろん劣悪な環境からは抜け出せません。

異国の地でこのような生活を余儀なくされた彼らの悔しさは計り知れません。

しかし、彼らは帰ろうにも帰りの航空券を買えるお金がなかったそうです。

また、家族の想いも背負って何がなんでもプロとして成り上がるまで帰らないと決意してる選手などもいました。

このようなことがプロリーグと謳われてるフィンランド3部リーグ、またそれ以下のカテゴリーでも起こっていました。

何十年も過去に所属した選手達の訴えや、それを目の当たりにしていた周囲の人たちからの訴えがあったそうです。

それでも警察やサッカー協会は動かなかったそう。

そして今回、ついにこのような状況の10代のブラジル人2選手の様子を近所から見ていた女性が彼らを保護、命の危機があると警察に連絡し、ようやく今まで以上に世の中に明るみになりました。

2024年シーズン、この3部のチームには日本人選手も所属しており、給料面未払いの問題は私も実際に耳にしていました。

その後の調べによると、被害者のうち数名がビザを持たない不法滞在者として母国へ強制送還

ブラジル人2選手は、匿名で彼らの航空券を購入してくれた心優しい人の助けもあり、無事にブラジルへ帰国できたそうです。

彼らには是非、今回の重すぎる教訓を生かし、なんとしてでもサッカー選手として成功してほしいと心から思っています。

 

同じサッカー仲間、上を目指す仲間、異国の地での外国人仲間、彼らが異国の地での挑戦を決意した矢先のこの出来事は許し難い詐欺行為です。

比較的治安が良い、国として厳しいと言われるフィンランドでもこのような事件が起こっています。

間違いなく他国でもサッカーに限らずスポーツ界での詐欺や賭博はあるでしょう。

日本でもサッカーエージェントの詐欺問題などを耳にしたことがあります。

実際に言ってることとやってることが違う。と言うような話しは日本のエージェント会社でもよくあることです。

これらの当事者から話を聞ければ事前に防ぐことも可能ですが、全てがそうはいきません。

それでも今は海外サッカー選手同士のコミュニティ、SNSで連絡を取る手段などいくらでも知る術はあります。

それらを駆使し、どうにか日本から彼らのような被害者が出ないことを願います。 

 

引き続き僕が知ってる範囲でのエージェント事情や海外サッカー事情を発信していきます。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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内山選手note

 


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