前人未踏の国内制覇、同点ゴールは「最高でした」
今季もFKトランスインヴェストに所属し、現在は1リーガ(リトアニア2部)でしのぎを削る川内選手。チームは2位に10ポイント近く差をつけ、リーグ首位を維持している。
「今年は本当に充実したシーズンになってると思いますね。
自分はプレシーズンで膝を怪我して、3週間ぐらいプレーできなくなって。開幕戦はベンチスタートだったんですけど、逆転負けしたんですよ。2対4で逆転負けして。
去年は3部で1敗しかしなかったけど、その時はやっぱり『2部になると壁があるのかな』『大丈夫かな』と思いました。
けど、それ以降はチームも良くなって、自分も3戦目からはスタメンで使ってもらえるようになって。そこからは10試合以上負け無しで(12連勝を含む、18戦負け無し)。
チームの雰囲気も良いし、前期は個人的にも7点取ることができました」
5月上旬からは、国内カップ戦のリトアニアカップにも参戦し、リーグ戦と並行して勝利を重ね続けた。
「準々決勝で初めて1部のチームと当たって、個人的には去年1部相手に何もできなかった悪いイメージがあったんですけど。
『あ、やれるな』っていう感覚も自分の中であって、実際に勝つこともできました」
昨季新たに創設されたばかりにも関わらず、次々と強敵をなぎ倒すFKトランスインヴェスト。準決勝でも1部のクラブを撃破し、驚異の決勝進出を達成した。
破竹の勢いは止まらず、決勝では1部の上位クラブ、FAシャウレイに2対1で逆転勝利。2部以下に所属するクラブがトロフィーを手にしたことは、リトアニアサッカー史上初の快挙となった。
そして、窮地を救う同点弾を挙げ、スタンドを沸かせたのは川内選手だった。
「準決勝の週ぐらいは、本当に調子が悪い時期で。それこそ準決勝はスタメンから外されて、途中出場だったんですけど。
決勝が近づくにつれて、どんどん自分のモチベーションや調子が上がってきた中で、あのゴールが取れて、すごく自分にとって嬉しかった。本当に嬉しかったです」
得点が生まれたのは54分。相手のバックパスに反応し、間髪を入れずに右足を振り抜いた。
「ボールが来た時は迷わなかったですね。もう『外してもいいや』というか、とにかく『いってやろう』と思いました。
気持ち良かったですね。あれは最高でした。
(国内での反響も)優勝した時は本当にすごかったと思います。
自分はリトアニア語が分からないし、テレビも見ないので、反響はそんなに感じなかったというか。けど、ニュースとかに色々なってる話は聞きましたし。
個人で言うと、やっぱりゴールも決めたので、現地の人だったり、サポーターの人だったりから、決勝の時はメッセージが40件近く来てて。
後々噛みしめるじゃないですけど、『結構すごいことやったんだ』って感じましたね」