【内山竣太選手 寄稿】欧州サッカー夏の移籍市場

8/13は僕がシーズン前に新たに掲げた目標である夏の移籍市場のクローズ日です。

当初は1月にフィンランドに来てすぐに2部以上のチームでトライアウトを受け、そのままプロ契約を目標にしてましたが、何本目か前のnoteに書いた通り、紆余曲折あり3部に所属することになりました。

3部リーグに所属してシーズンが始まり
8/8現在に至るまで様々な出来事がありました。

 

まず、夏の移籍を果たすにはなるべく早く代理人に面倒を見てもらう必要がありました。
もちろん、日々そんなことを考えていたわけではなく、常に自分の100%を出し切ることしか考えていませんでした。

4月末の開幕戦に勝利し、その後も開幕4戦で3勝1分で、去年チームが降格圏であったこともあり、少し注目されていました。それと同時に、カップ戦でも1部リーグ所属のチームとの試合を控えていました。

実際にその1部とのカップ戦も惜しいチャンスもありながらも負けてしまいましたが、目に見える公式の数字でチームNo1の評価をもらえました。

そんな5月末にとある代理人が、開幕してから1ヶ月ほどで自分のプレーを評価してくれ、2年契約で代理人契約を結ぶことになりました。

代理人と聞くと、よくお金だけ持っていくような
詐欺まがいの人もいると聞きますが、
この方は自分も面識があり信用できる方です。

契約内容や詳しいことは言えませんが、夏の移籍に向けて、チームを探してくれ、その後も面倒を見てくれることになりました。

本来5月頭から仕事が始まる予定でしたが、
代理人契約を結んだ5月末段階でも仕事は始まってませんでした。
そのため、契約時に夏の移籍期間まで収入源がない状態が続くのなら日本に帰国することも十分に考えてると代理人に伝えました。

もちろん、代理人もその状況を分かってくれ
夏にターゲットを定めると言ってくれたが、今年の夏の移籍は例年になく難しいと事前に言われました。

それでも、僕の目標はあくまで夏の移籍だったので
常に全力に難しいことは考えず100%のスタイルで頑張るのみでした。

そんなこんなでカップ戦でもらったレッドカードによる出場停止が明けた、6月頭、3部のとあるチームがプロ契約を前提に興味を持ってくれているという話がありました。

具体的な話ではなく、まだ興味の段階だったが
初めての経験だったので嬉しかったのは覚えている。

それでも同カテゴリーというのもあり、まだ他のチームからも話があるかもしれないということで、保留のような形になった。 

それから少し経ち
6月末にフィンランドNo1チームであるHJKのセカンドチームとのリーグ戦がありました。

僕の代理人がこのチームのSDと繋がってることもあり、絶好のアピールチャンスでした。

この試合に敗れてしまったが、相手側からの評価はよかったらしい。が、年齢的な事や、今すぐフィンランドの1部リーグで活躍できるかどうかを考えた時に難しいという判断でした。

それと同時にこの試合で古傷を再発してしまい
1ヶ月の離脱を余儀なくされてました。

この診断結果が出たのが6/28
夏の移籍期間は7/13〜8/13

シーズン途中の移籍ではより即戦力が求められる為
怪我持ちの選手はかなり難しい。
ましてや復帰目処は7月末ということで
かなりの崖っぷちに立たされてしまいました。

しかし、その怪我での離脱中に思いもよらぬ話が舞い込んできました。

7月の移籍期間の始まりと同時に
とある2部上位のクラブがプロ契約をして欲しいとの話でした。

僕が怪我してることを知らずに
しかもトライアウト無しのダイレクトサインで
すぐにでも合流して欲しいとの話でした。

しかし、僕が怪我してることを代理人は知ってたためその相手チーム側にもう少し待ってくれと、そして僕には可能な限り早くコンディションを作って欲しいという話をされました。

いつでも引っ越せる用意をしてくれとまで言われた為
ただでさえ少ない荷物をまとめ、いつでも動ける状態にもしていました。

家賃補助や給料面、その他の契約の詳細もある程度提示されていたので、正直行けると思っていました。

しかし、僕が別メニューでコンディションを作り終える寸前に、ここ数試合の離脱の理由を追求されたそうです。
もちろん怪我というと獲得をしてもらえない為、体調不良だと伝えてくれていました。

僕もやるからには身体が壊れる覚悟で100%やる覚悟でした。そして、それなら2日間練習参加をしてくれ、という話をいただき、翌週に行くという段取りまで決まりました。

しかし、相手チームの最後の経営陣達の話で
僕が数試合欠場してることがどうしても気がかりになり
即戦力と計算するのが難しいという判断をされ
この最も可能性のあった移籍の話がなくなりました。

その後は無事に復帰初戦でアシストをしたり、
数多くのチャンスメイクをできている感覚があります。まだ、スタミナやゲーム感が100%ではないが、アピールを必死に続けている状況です。

継続的に代理人と連絡を重ね、
お互いに夏の移籍を目指して頑張っている状況だが
現在、思わぬ障壁が立ち塞がっています。

それは今僕が所属してるチームとの契約が10月末までであることと、チーム側が移籍を容易に容認してくれなくなったことです。

その理由は、僕を重要なプレイヤーと評価してくれているが故の問題で、安いお金で移籍をさせたく無いとのことです。

多額の移籍金などを払ってくれてまでオファーをしてくれるチームがあればいいが、そうではないのが現状です。

実際にその金額を聞いて、退いたクラブがあるそうです…

僕も無名の経歴無しの日本人プレイヤーなので、
そんな僕に多額のお金を払ってくれるチームは今のところありません。

代理人側としては、移籍をさせてあげたいと僕にも直接伝えてくれますが、チームとしてまずは今シーズンの成績が重要です。

今の僕の所属はこのチームなので、
このチームがダメと言えば動けないのが現状です。

しかし、8/8現在、5月頭に始まるとされていた
仕事が未だに始まっていません。

そのため、1月にフィンランドに来てから
収入が0の状態が続いて、もう限界がきています。

その旨を代理人に契約した段階から伝えているので
彼も僕の現状を十分理解してくれています。

そのため、移籍を許すか、現在のチームから給料を出すかの2択で代理人は交渉をしてくれています。

しかし、現在の所属チームは
完全なアマチュアクラブであるため、1人としてサッカーでお金をもらってる選手はいません。
これは僕も例外ではありません。

そのため、相当厳しい状況だと思います。

いずれにしても今週末に夏の移籍期間が終わってしまいますが、個人としてやれる事をやり、幸運を待つ他道がありません。

状況が何も変わらないようなら
シーズン途中で帰国することも十分考えています。

 

タラレバの話になりますが、
6月末の試合で怪我をしていなかったら、
試合前から少し違和感があったので、もし休んでいたら、
そもそも、大学生の時に手術をしていたら、
社会人1.2年目の時に手術をしていたら、
など考えてしまうことももちろんあります。

しかし、この怪我があっての今の僕ですし、
この怪我があって数々のご縁に恵まれてることも確かです。

今後もこの怪我を恨まず、自分のサッカーに後悔のない形で進んでいきたいと思います。

8/13日以降、また何かしらのご報告をします!!

最後までご覧くださりありがとうございました😊

日本にいる方々は猛暑で体調を崩さないようにスポーツ以外の時もこまめに水分補給をしてください!!!

内山選手への投げ銭はコチラ

内山選手note

 


『J. FOOTBALLER』では、海外でプレーする日本人選手からの寄稿を募集しています。所属カテゴリーや寄稿の頻度を問わず記事ページをご作成いただけますので、海外での日常やサッカー生活について発信したい方・ご自身のPRに活用したい方は、是非ご利用ください。

【J. FOOTBALLER】海外でプレーする日本人選手からの寄稿を募集しています
いつも『J. FOOTBALLER』をご覧いただき誠にありがとうございます。 この度弊メデ...

 

タイトルとURLをコピーしました