【内山竣太選手 寄稿】新しい感情の話

こんにちは。久しぶりのnoteです。

9月末のフィンランドは短い夏が少し前に終わり、雨の日が増えてきました。半袖では肌寒く、冬用グッズを準備する人もぼちぼち出てきます。

本格的な冬シーズンの前に雨季に入るので、今はその時期へ片足入るか入らないかのモヤモヤした空模様が多くなっています。

そんなフィンランド事情はこの程度にして
今回は最近自分の心の中に生まれてきている新たな感情について文字にしてみようと思います。

正直、この気持ちを文字にするのは初めてで、側から見ると一見ネガティヴに見える文章かもしれません。

でもサッカーに限らず、スポーツを本気で取り組み、キャリアを終えてきた選手達なら早かれ遅かれ必ず皆向き合わなければならない問題です。

Jリーグに所属してる選手たちがこんなnoteを更新すると、色々と物議を醸すこともあるかもしれませんが、海外のマイナープロサッカー選手ならではの地位や事情も踏まえて、嘘偽りなく引退が頭にちらついてる事実を文章にしてみます。

引退

なぜこのシーズン終盤、チームが昇格争いをしている中でこのような葛藤が生まれているのかというと、紛れもなく怪我があります。

怪我により今シーズンはここまで10試合ほどしかプレーできていません。

サッカーでお給料をもらい、24時間サッカーに時間を注げる中、自己管理もしてたつもりでしたが、結果だけを見るとこの有様になっています。

自分が出場出来ていなかったシーズンの序盤は
チームとしても未成熟で勝ち点を落とす試合が多く見られました。

そこから自分の復帰と共に、間違いなくチームが上向きになった自負はあります。
外国人助っ人として当たり前の事を当たり前のように出来ている充実感がありました。

そこから月日は流れ夏に。

チームは首位争いをするようになる中、また怪我をします。5週間程度のリハビリを経て、9/9の試合に出場します。そこからまた足の不調が続き欠場し、今に至ります。

怪我は今年に限った話ではありません。

長い怪我生活は大学4年生から始まりました。

当時、大学4年生のシーズン前に人生初の大怪我を負います。

左膝の前十字靭帯と半月板の損傷

手術をするかしないかを迫られましたが
その一年に賭けていたこともあり、少しでも復帰が早いならと手術をしない選択をとりました。

結果的にその怪我からの派生で
その後プレーしては、肉離れや靱帯系の怪我で休んでをひたすら繰り返すことになります。

当時手術をしていたら…なんてことも人間なので考えます。

結局大学最後のシーズンはリーグ戦30分程度の出場に留まりました。

その間に念のため、周りの同級生達と同様にスーツを着て就職活動も行っていました。

結局内定をいただいていた企業はあったものの、その内定を蹴り、大学卒業後、当時発足したての福山シティFCに加入しプロを目指すことにしました。

しかし、そこでもほとんどの時期を
定期的にくる膝痛と肉離れのリハビリで過ごしました。

最後数試合途中出場やスタメンで出させてもらいましたが、完全に不完全燃焼のシーズンでした。

翌年は鎌倉インテルに加入します。
ここでは比較的公式戦に出場はできましたが、それでもプレーシーズンを含め数ヶ月離脱をしていました。

そして去年からプロサッカー選手になる事を目指してフィンランドへ。

日本で目を見張るキャリアがない中、意を決して渡航し、決してレベルが高いとは言えない中、それでもそれなりに活躍をすることができていました。

この段階ではアマチュア契約で、仕事をしながらという日本で言う地域リーグと同じ待遇でした。

しかし、その間も膝の怪我を悩まされます。

去年の夏、個人的にも夏でのステップアップを目指していた中で、上位クラブから移籍の話が来ます。

そのチームというのは当時2部で優勝争いをしていたクラブで、環境もフィンランドでトップクラスです。

しかし、同タイミングで膝を怪我し1ヶ月ほど離脱を余儀なくされていたこともあり、その話しは無くなります。

シーズン終わりにそのチームへトライアウトに行きましたが、その際にも膝を痛め、なんとかテーピングでガチガチに固定をし乗り切りましたが、結果的にチーム加入には至りませんでした。

ですが、その間もずっとプロ契約のオファーをくれていた、PK-35に結果的に加入することになりました。

代理人いわく契約条件は、今のカテゴリーとキャリアの無いEU外選手という事を踏まえるとかなりの好条件だという事で、もちろん昇格に導く活躍をと意気込みチームへ加入しました。

しかしプレシーズンに怪我を負い、さらに謎の感染症にもかかり3ヶ月ほど離脱しました。

その期間かなりメンタル的に落ちていました。
なかなか良い試練をサッカーの神様は与えてくるなと…笑

復帰後も良いコンディションをキープできてたものの、7月末に肉離れをし、いまだに欠場が続いています。

ざっと今までの怪我歴を紹介し、
こんな感じで今に至ります。

もちろん、怪我のクソやろーって度々思います。

順調にリハビリが進んでたと思いきやリバウンドもよくありますし、めちゃくちゃストレッチとケアをしてるのにと思うこともあります。

でも結局これらを踏まえて自分は自分だと思うし、
だからこそ自分のサッカーストーリーが少しだけ分厚いものになっていると自負しています。

それと同時にいよいよ終わりが見えて来ているなと
思うことも増えてきました。

ようやくサッカーで生活を成り立たせることが出来て、一歩を踏み出せた今シーズンでしたが、結局恵まれた環境に身を置かせてもらっても、それに見合う活躍ができて無さすぎます。

自分の無力さを痛感する日々です。

契約に関する決定権は常にチーム側にあるので、
自分たち選手は常にベストを尽くす事のみが唯一やれる事ですが、それをできていない時期が自分はあまりにも長すぎます。

もちろん、それでも自分のことを欲しいと言ってくれるチームがあるのならそれよりも嬉しいことはありません。

しかし、色々な事情を考慮した時に、1からトライアウトを受け、プロかアマチュアかわからないチームに行かされ、様々な助けを借りながらのサッカー生活はもう自分は望んでいません。

てなると、今のチームで活躍をし、昇格と契約更新を掴むのが最も理想的な話なのは散々SNSでも発信してきています。

でも正直なところ結果はどうなるかわからないということがリアルで、常に最悪の想定をする自分の性格上、最悪を想定した結果、引退がちらついてるといった話になります。

今シーズン終わりのタイミングで引退すべきなのか次怪我をしたら引退すべきなのか
次、数ヶ月離脱の大怪我をしたら引退すべきなのか

もちろん、引退を考えながらサッカーをやりたいわけではありませんが、今回は現状こういう考えに至っているという文章なので、ご了承ください。

多分これは心配性ならではの保守的な考え方も影響しています。

貯金、余裕を持った人生設計、社会人とは、、、

挙げだしたらキリがありません。

もちろん今後どうなるか全くわかりません。

怪我が急に良くなって、メチャクチャ活躍できるかもしれません。

まだまだプロでやりたいと思うかもしれません。

何もわかりません。

とにかく、チームがリーグを戦ってる間、自分も復帰に向けてベストを尽くします。

そして、自分の手で昇格に導き、今後のサッカー人生に繋げるという目標は現段階ではなんら変わりません。

ネガティブな文章が多く見えたかもしれませんが、
やるべきことはシンプルで、自分の中で整理できています。

今まで芽生えてこなかった感情で、
サッカーの終わりを考えることから逃げてきた自分にとって、大事な問いです。

もちろん悩んではいますが、それでも思いの外すんなりと向き合うことが出来ています。今後もこのような新しい感情が芽生えるタイミングがあれば、文字に残していきたいと思います。

とにかく、まずは残り数試合なんとかピッチの上でチームの勝利に貢献できるように、良いご報告をできるように頑張ります!!

最後まで読んでいただきありがとうございました😊

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