【内山竣太選手 寄稿】働き盛りの28歳の給料が半額になりました

働き盛りの28歳の給料が半額になりました
本人提供

世間的にもサッカー的にも働き盛りと言われる28歳になる今年ですが、去年に比べ給料が半額になりました。

2年前にフィンランド3部でもらっていた給料よりも固定給が下がりました。

もちろん経験がないのでわかりませんが、普通の会社に勤め、ある程度の成績を残していた28歳の給料が半額になることってまずないと思います。

すでに契約書にサインまでしてしまっている話なので今更交渉の余地はないのですが、このもやもや感が残り2か月もあるプレシーズン中に消えることはないでしょう。

なぜこのような契約に至ったのか、原因を探ってみたいと思います。

フィンランドサッカーの財政事情

まず初めにフィンランドサッカー界全体の財政事情ですが、簡単に言うととても難しい且つ、より厳しくなりました。

フィンランドサッカー全体に言える話ですが、とにかくお金がありません。

アイスホッケーが国技の雪国で、人口規模も北海道と同じくらいです。
集客が難しいうえにシーズンも短いです。

今年はフィンランド2部リーグ参加の10チーム中、財政難のチームがほとんどだと耳にしました。

2023年シーズン終了後には、首都ヘルシンキに多くのファンを抱え、人気、ファンの熱狂度合いでは国内トップクラスであったチームですら経営破綻しています。

このくらいいろいろなチームが毎年資金繰りに頭を悩ませています。

 

チーム事情

スタジアム問題

去年までホームスタジアムとして使用してきた場所が、今年のスタジアム規定を満たすことができず、公式戦で使用できなくなりました。

そのため、近隣の1部クラブのスタジアムを借りることになりました。

しかし、レンタル料だけでもそれなりにお金がかかると予想される中、現在工事中のこちらのスタジアムの工事費用の一部を我々のチームも負担しています。

それにより、今期は選手の給料に割り当てれる予算が大幅に縮小したとのことです。

新たなチーム方針

チームの新たな方針として、ディフェンダーにお金をかけないと言うことになりました。

そのためディフェンダーの新加入選手たちは若いフィンランド人ばかりで、既存の選手たちも給料が減ったと聞いています。

その代わりにアタッカーたちにお金をかけ、経歴のある選手たちを補強しています。

彼らの活躍にチームが期待してると言うことが伺えますが、吉とでるか凶とでるかシーズンが始まってみないとなんとも言えません。

監督の交代

僕の減俸と関わってる1番大きな理由が、昨シーズン途中に行われた監督の交代です。

旧監督とは2022年の練習生として参加した時からの付き合いで、2023.2024年と2度の契約交渉をしてきました。

カテゴリーや実績に応じた条件提示をしてくれ、そのおかげもあり2024年は生活に余裕のある生活を出来ました。

チームへの貢献度などもしっかり評価してくれる監督で、僕にとってはサッカーで初めて給料をもらうことになった瞬間を共にした大切な監督でした。

そんな彼が昨シーズン途中に解任され、新監督になりました。

新監督には彼なりのやり方があり、それもあり今回の減俸になりました。

 

ギリギリまで移籍先を模索してた

今シーズンに向けて、ギリギリまで別の移籍先を模索していました。

昨シーズンが終わる前のチームとの面談にて、仮に契約更新をしたとして給料が下がる旨はすでに伝えられていました。

もちろん、お金が全てではないですが、事前にこのようなことを言われたり、自分にまだ可能性を感じたりしていたこともあり移籍先を探そうとの決断をしました。

しかし、結局どれもうまくいかず、最後の最後の残された小さな選手予算の契約内容で PK-35 との契約更新に応じる他選択肢はありませんでした。

結局どれも結果論になりますが、昨シーズン終了時にすぐに契約更新したいとチームに伝えていれば、少しはマシな契約内容になっていたかもしれません。

 

まとめ

簡単にまとめると、フィンランド2部2年目の固定給が、フィンランド3部でもらっていた額よりも下がりました(ボーナスを含めればわずかながらにマシですが)。

今回の契約交渉からも分かるように、基本的に私のような無名の選手たちは、とにかくひたすら下の額を見積もられます。

最低限の条件提示ばかりされると言うことです。

私の場合生活が困窮する環境にいる訳ではないので、そこが唯一の救いですが、海外日本人サッカー選手達の中には安心した生活すら危うい選手達も多くいます。

一際目立つ活躍をし続けたり、タイミングが良ければサッカー選手としての価値が飛躍的に伸びるチャンスがあるのも海外サッカーの魅力です。

無名から這い上がりJリーガーと肩を並べるほどに市場価値をつけている選手たちも何人かいますが、その彼らの下には数えきれないほどもがき苦しんでいる選手たちがいるのが事実です。

実際私の友人達も、アルバニア、リトアニア、アルメニア、フィンランドなどといった、無名の日本人がここ数年トライするようになってきた国々で多くの問題に直面してると耳にします。

中にはもっと信じがたい事件や契約破棄といった事実も存在しています。

それらについても十分な情報収集等出来た段階でいずれ文章にてまとめられたらなと思っています。

このようなリアルを発信していくことが私の使命だと勝手ながらに感じているので、引き続き発信していきます。

個人的な話しですが、今年からアスリートビザではない新たなビザを取得予定です。

そのためフィンランドにてアルバイトや一般の仕事なども長期に渡りできるようになります。

それらについてもいずれシェアさせてもらうつもりです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました😊

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