フィンランドと聞くと、多くの日本人は「幸福度が高い国」「北欧インテリア」「サウナ」「サンタクロース」などと言った、ハッピーな印象を抱く方が大半だと思います。
私も嫌いな国にわざわざ何度も帰ってくるほど変わり者ではないので、大勢いるフィンランドファンの1人です。
しかし、実際にフィンランド生活4年目を迎えると、ポジティブな面ばかりではなく、リアルな部分、適応が難しい部分も多くあります
今回はそんなフィンランドのリアルな部分を皆さんにシェアしたいと思います。
物価の高さ
フィンランドは世界でも有数の税金と物価が高い国です。
いくつか例を挙げるのであれば
・安価なコーヒー一杯600円前後
・ラーメン一杯2000円前後
・鶏胸肉1キロ1600円前後
・500mlのコカ・コーラ400円前後
・納豆3パック入り500円前後
野菜や果物は日本と比較してもそんなに大差なく、ものによっては安い印象がありますが、上記のような食材や日常生活に必要なものを比較すると圧倒的に高い印象があります。
もちろんですが、それに伴いフィンランドで手に職をつければ収入も上がります。
そのためフィンランド人やフィンランドで腰を据えて現地で働いてる人たちからすれば生活水準は至って普通で、日本とこれといった違いはないでしょう。
しかし、
・日本円で稼ぎながらフィンランドで生活
・日本円の貯金を切り崩しながらフィンランドで生活
・私のような低賃金アスリート
などといった人たちにとっては日々節約生活を強いられます。
過酷な自然環境
フィンランドと聞くと真っ先に「寒い国!」と思い浮かべるも多いと思いますが本当にその通りです。
フィンランドの最南端に位置する首都のヘルシンキですら時に冬になると-20度を下回る日があったり、4月末などでも雪の中サッカーしたのを覚えています。
また日照時間も冬になると圧倒的に短くなります。
1日6時間ほどしか太陽が昇らず、晴天の日もそれほど多くないので、どんよりとした極寒の空の下、文字通りどうにか生き延びる必要があります。
私を生まれも育ちも北海道で寒さに対してそれなりに免疫があったので問題ありませんでしたが、周りにいる日本人の友人たちは皆寒さに驚きます。
それとは反対に、夏になると最高気温が30度を超える日は滅多になく、晴天の日が増え冬とは打って変わって、一生この地で暮らしたいと思うような最高の気候になります。
日照時間も圧倒的に伸び、一日中日が沈まない白夜を見ることもできます。
日本人が思い描いているような娯楽が少ない
日本人の若者たちが思い描く娯楽と言えば、カラオケやゲームセンター、気軽に行けるショッピングモールや居酒屋などが思い浮かびます。
もちろんフィンランドにも上記のような娯楽施設は少数ながら存在しています。そのため、我々日本人と同じような娯楽を好む人たちももちろんいます。しかし、その数が圧倒的に少ないです。
また、日本では気軽に行けてたであろう施設も円安やフィンランドの物価高の影響もあり、躊躇してしまいます。
フィンランドに訪れる日本人の多くは、「教育」「デザイン」「建築」、関連の方が多い印象で、そのような方たちにとってはフィンランドはまさに学びの宝庫と言えるでしょう。
しかし、もし仮に上記のような日本の娯楽を求めてフィンランドへ来てしまったら、間違いなく退屈な日々になります。
それではフィンランド人は暇な時間に何を娯楽としているのか。
その答えを紛れもなく「自然」です。
家族とともに散歩やハイキング、コテージなどの自然豊かな場所で時間を過ごす人たちが圧倒的に多いです。
食文化の違い
当たり前ですが、日本とフィンランドでは食文化がまるっきり違います。
日本人の中でもトップクラスに日本食好きな私にとって、食文化の違いは未だに適応中であり永遠の課題となるでしょう。
フィンランドでは基本的にイモやパンが主食とされています。
また、日本とは比較にならないくらいピザやハンバーガー、パスタなどといったファストフードが身近にあります。
もちろん日本食や中華料理、タイやベトナム料理屋なども簡単に見つけることができますが、自分で家庭の味を再現しようとすると素人の私には難しいことが多々あります。
中には日本人シェフによる日本食屋もありますが、私にとっては高給な部類で頻繁に行くことは到底できません。
また、サッカーの試合後などチームで食事が必要な場合はピザを支給されることがほとんどです。
こればかりは慣れる以外の道はありませんが、日々日本のスーパーで気軽に購入できるおにぎりやお惣菜、本物の寿司の恋しさとともに生活しています。
まとめ
今回はフィンランドで過ごしていく中で日々感じている難しさについて4つシェアさせてもらいました。
わざわざ文章にせずともすでにご存じの方が多そうなトピックばかりでしたが、驚くほどの難しさが日常生活の中にあるかと聞かれたら決してそんなことはありません。
言語の壁こそあれど、基本的にフィンランド人は日本人と似たような国民性だと言われています。そのため、優しく思いやりのある人が大半で日本人にとってはとても馴染みやすい国になっています。
ワーキングホリデーなども相まって今後もさらに多くの優秀な日本人の方々が訪れると予想されます。
そのなかで、何者でもないただの一般人、人との出会いにたまたま恵まれフィンランド人女性と結婚するに至った日本人として、今後も背伸びしない発信を続けていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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