【内山竣太選手 寄稿】フィンランドで迎えた結婚式

【内山竣太選手 寄稿】フィンランドで迎えた結婚式
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私ごとですが、この度7/20にフィンランドにて結婚式を挙げさせていただきました。

3月にすでに事務的な手続きを終え、結婚そのものはしていたのですが、そこから4ヶ月が経ち結婚式を無事に終えることができました。

【内山竣太選手 寄稿】フィンランド人女性と国際結婚しました
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沢山の準備をしてくれた妻、妻の両親、日本から遥々来てくれた私の両親、当日集まってくれた方々には本当に感謝しています。

 

今回の note では日本の結婚式すらほとんど参加したことのない私ですが、フィンランドの結婚式がどんなものだったのか、私のシェアできる範囲で皆さんにシェアさせていただきたいと思います。

物凄く厳密にいうと今回行った儀式は結婚式ではないらしいので、詳しい説明はのちに説明しています。それでもこの note ではわかりやすく結婚式と言わせていただきます)

スケジュール準備

3月に事務的な結婚手続きは終えていましたが、結婚式の日程について早速妻や家族との話し合いが始まりました。

昨今結婚式を挙げない人たちも増えつつある中で、ましてや国際結婚ともなるとそのハードルは高いです。
(フィンランドでは日本よりも圧倒的に事実婚のような形で生活を共にしてるカップルや、法的に結婚せずに子育てをしてる家庭も多い)

日本の両親とも相談を重ね、何とか数日間の休みを調整できる日程を決め、この日時に決まりました。
(妻は約2ヶ月の夏休み、フィンランド人たちの多くも夏休み中)

日程が決まるとすぐに両親はパスポートの取得、私たちで航空券とホテル手配、結婚式前後の旅程なども少しずつ埋めていきました。

もちろんスケジュールが決まると家族を含めたゲスト19人に招待状を送りました。

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実際ゲストに配布した招待状の表面
絵が得意な妻が描いた新郎新婦の絵と場所・日時
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裏面
招待文と当日の簡単な流れなどを記載してる。
ここに描かれてる飼い犬2匹の犬の絵ももちろん妻の手書き

教会予約と牧師との面接

妻や妻の家族がキリスト教信者、私は無宗教(多分…)ということで、キリスト教の教会にて「既に法律的に結婚している夫婦に対して、神の前で祝福を与えてもらう儀式」を行うことになりました。

(少しややこしいのですが、私たち夫婦は3月の時点でDVVと言われる役所にて法律的に結婚手続きを済ませていました。そのため、今回教会で行った儀式は厳密にいうと結婚式ではありません。宗教的に神から結婚を祝われる儀式と翻訳するとわかりやすいと思いますが、この note では結婚式と言わせていただきます。仮に、私が3月に行った法律的な結婚手続きからすべてを教会で済ませたい場合は、新郎新婦の両方が公式にキリスト教信者であることが必須です)

ここで、私が仮に他の宗教を信仰 or 何か強いこだわり等があれば教会で結婚式を行わない選択肢もありました。

しかし、私自身何か強いこだわりや教会で行う上での問題を抱えていたわけでもなかったので、そのまま教会で行う準備を進めました。

教会にて、先ほど説明した民事婚の祝福の儀式を行う資格を持つための絶対条件として、少なくとも新郎新婦の片方がキリスト教信者であることが必須です。

私の場合妻がこれに当てはまっていたため、私も何も問題なくキリスト教の教会を使用させていただけるというでした。

事前に日程の予約をメールでし、結婚式の数週間前には牧師さんとの面接もありました。

主にこの面接では、私たちの馴れ初めや、関係性、お互いが大事にしてる価値観や人生観などについての話が中心で、これらをもとに、式当日に牧師さんが短いスピーチをゲストを含めた全員の前で行います。

キリスト教聖書の中から牧師さんが私たちに送る文章選びも一緒に行いました。(数ある文章の中から、最も私たちにマッチする、結婚式によく用いられるものが選ばれた)

この作業と並行して、入退場の音楽、式中に歌われるキリスト教の歌(hymn) を1曲選ぶ作業などを私たち自身で行いました。(入退場はお互いが好きなジブリを選んだ)

教会での入退場とワルツの練習

先の牧師さんとの面接の中で、入退場についての説明も受けました。

これに関しては、恐らく日本で広く知られているものと同じでした。

入場に関しては、妻と妻の父親が扉が開いたと同時に教会内へ歩いて入場し、ゲストの横を通り過ぎたあたりで私が妻と妻の父親にお辞儀をし、私と妻で残りの道を歩く

退場に関しては、退場用の音楽がスタートし、少し時間が経ってからゆっくり出口に向かって歩き始める

という形で、特に特別な振る舞いはありませんでした。緊張しつつもとにかくゆっくり歩くようにとだけアドバイスを受けました。

ワルツに関しては教会ではなく、教会後の結婚パーティーのために練習が必要でした。

ワルツの経験なんてもちろんありませんでしたが、妻に教えてもらい、youtube なども見ながらシンプルなリズムでのステップをどうにか身につけました。

フィンランドでは明らかに日本よりもダンス、音楽に合わせ踊るような文化が根付いており、ナイトクラブなどにもほとんど行ったことがなかった私には、大きなカルチャーショックや恥ずかしさを感じる瞬間の一つでしたが、なんとか頑張りました笑

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当日のダンスの様子
照れ臭さ100%でしたが頑張りました笑

結婚式後のパーティー会場の準備

日本で例えると結婚披露宴のような位置付けである結婚パーティーをフィンランドでも行います

よその会場を貸し切り、食べ物やドリンクの用意まで頼むサービスがフィンランドでは一般的に主流だと聞きます。

しかし、私たちはそれらの準備と用意も自分たちで行いました。

理由は大きく下記の3つです。

  1. 日本人とフィンランド人の結婚ということで、食文化の交流の場にしたかった
    ・実際に、納豆やキムチ、日本の駄菓子を始めとした日本食、トナカイのパイやサラダ、サルミアッキ味のお菓子などのフィンランド食を用意し、ゲストに食べていただきました。

  2. 食べ物やドリンクの用意から会場の貸し切りを行うと費用がものすごいことになる
    ・現実的に私たちの金銭状況と今後のプランを考えたときに、現段階でこれらの出費をすることは賢いこととは思えなかったため、自分たちで用意することにしました。

  3. ゲストの人数が多くなく、アパート付属の無料の共同パーティースペースを無理レンタルできた
    ・ゲストの人数とアパート付属の共同スペースのサイズがちょうどマッチしたため、使用しない手はないなと言うことで無料レンタルさせてもらいました。テーブルの配置から装飾、片付けや掃除までを私たちと友人たちの力を借り全て行いました。

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準備中の妻
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準備中の私
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当日のテーブルの様子
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バルコニー

ウェディングケーキと花、当日の写真撮影予約

私たちは結婚式カラーを青とオレンジをベースにしたものに決めたので、それらに合うようなカラーのケーキと花をオーダーしました。

花に関しては3つで、妻用のブーケと髪飾り、私の胸ポケットに装飾する用にそれぞれ本物の花で作られたものもオーダーしました。

写真撮影に関しては、結婚式用に着飾った状態で、式の直前に教会の前で写真を撮ってもらうというものです。

メール予約の際に、どこでどのようなテイストの写真を撮りたいかなどの相談をし、天気次第ではあるが当日はそれに沿って行うとのことでした。

こちらもフィンランドなのでなかなかな値段がしましたが、妻の兄夫婦が結婚祝いのギフトとしてプレゼントしてくれたものだったのでありがたく使わせてもらいました。

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実際に用意したケーキ
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大きい花が新婦である妻が当日手に持っていたブーケ

いよいよ結婚式当日

結婚式当日は、朝からケーキや花のピックアップなどで大忙しでした。

パーティー会場の設営や食べ物・ドリンクなどの事前準備に関してはある程度終わっていました。それでも当日にしかできない作業もまだ残っており、家族や友人も手伝ってくれ、どうにか間に合わせることができました。

13時から近所の教会にて写真撮影の予定だったので、それに合わせて教会に向かい、終わり次第そのまま結婚式を行いました。

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慌ただしく準備する様子
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プロによる写真撮影中に友が撮った写真パート1
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パート2
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式直前の緊張した様子
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ジブリの曲に合わせての退場
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式後に外で待つゲストに出迎えられる瞬間

 

そして、教会での結婚式が終わり次第、すぐにパーティー会場へ移動し15時頃からパーティーが始まりました。

パーティーでは下記写真のようなディナースピーチといった一般的なものを始め、日本では見慣れないダンス(練習してきたワルツ)や、内山オリンピックと題しゲスト参加型のゲーム&アクティビティも用意しました。

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妻がデザインしてくれた結婚式当日のスケジュール表

 

以下実際に行ったオリンピック種目

  • 私と妻に関するクイズ(お互いに直してほしいところや、隠れた趣味、二人が過去に行った手術の合計回数など)

  • ジェスチャーゲーム

  • 犬のうんこ投げ選手権(もちろん本物ではなく偽物を使い、普段私たちが犬の世話をしている様子に模したもの)

  • 利きコーヒー(フィンランド人が一人当たりのコーヒー消費量世界一位ということで)

  • 制限時間内に箸で大豆を何個別皿に移せるか選手権

上記5種目の合計得点により、順位を決めそれぞれに応じた景品の贈呈も行いました。

どのくらい盛り上がるか、スムーズに進むのか不安はありましたが、結果的には大きな問題なくそれなりに成功をおさめれたと思います。

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他チームに知られないように真剣に質問に回答する様子
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元チームメートが箸で頑張って大豆を掴んでる様子

このような形で全プログラムを終えると、自由時間となり皆が各々食べたり飲んだり写真を撮ったりしながら徐々に人数が減っていきます。そして、最後22時ころに妻の友人たちが会場を後にして、結婚パーティーが終わりました。

それと同時に私たちの会場後片付けが始まりましたが、その日の夜、翌日の朝の数時間で簡単に終わらせることができました。これにて公式に結婚パーティーが終わりました。

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内山オリンピックの景品として実際にプレゼントした手作りムーミンとトントゥ達

振り返り

今回の結婚式を通じ、改めてたくさんの人の助けにより私はこの場に生かされているなと改めて実感しました。

事務的な連絡など、多くの必要不可欠な段取りをしてくれた妻はもちろん、妻の両親や兄夫婦を始めとする多くのフィンランド人たちの支えがなければ私はフィンランドにて生きていくことができません。

私が招待させていただいた数人の仲間たちも、今後私がフィンランドに住み続けるうえで間違いなく信頼できる大切な人たちです。彼らのような大切な人たちとの関係性を今後も大事にしていきたいと強く実感しました。

あとは、日本からわざわざ来てくれた両親にもものすごく感謝をしています。

彼らにとって初めての子供の結婚式(姉は結婚して子供もいるが結婚式を行っていないため)、初めてのヨーロッパ旅行、パスポートの再発行から始まった初めて尽くしの旅。日本とは何もかも違うことで間違いなく数多くの居心地の悪さを感じたでしょう。それでも、笑顔でフィンランドに降り立ち、笑顔でフィンランドを去っていった姿を見たときには、今回彼らを招待したことは正解だったんだなという気持ちになりました。

まだまだ両親にはたくさんの恩を返さなければいけませんが、ようやく小さな恩返しがスタートしているような感覚です。

これからもよろしくお願いします。

新たな幕を開けた私たちの結婚生活ですが、温かく見守っていただけると幸いです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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遥々日本からやってきてくれた両親に大感謝

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