【内山竣太選手 寄稿】父と母が見たフィンランドという国

【内山竣太選手 寄稿】父と母が見たフィンランドという国
本人提供

先日、私たちの結婚式のために北海道の両親がフィンランドを訪れました。

この旅が両親にとって初めてのヨーロッパ、初めてのフィンランド旅です。

日本とは言語から気候、食事や日常まですべてが異なるこの国で、彼らがどんなこと口にしていたか、どんな感想を抱いていたのかを皆さんにシェアします。

今度フィンランドを訪れる予定のある人や、フィンランドという国について触れたい方にとってこの note が少しでも役に立つと幸いです。

北欧なのに驚くほど暖かい

彼らが頻繁に口にしていたのが、北欧と言う名に反して驚くほど暖かいということでした。

彼らの滞在期間は7/17〜7/22という7月中旬〜下旬

その時のヘルシンキの天気は基本的にずっと快晴で、気温が25〜30度ありました。

もちろん、日本のほとんどの地域よりもヘルシンキは涼しく、日本ほどではないと言ってましたが、それでも北欧と聞いてイメージするような涼しさはあまりなかったようです。

冬は皆さんも想像するような極寒の地ですが、夏は意外にも暖かい、暑いというのがヘルシンキのリアルです。

現在8/4時点でも最高気温が26度で、北欧の夏は気温の上がり下がりはあれど、このくらいの気温が1.2カ月続くイメージです。

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汗をかきながらの港散策
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ヘルシンキマークの前で記念撮影

公共交通機関が驚くほど便利

ヘルシンキ市内にて、電車路面電車バスを一緒に乗りましたが、すごく簡単で便利だと感心していました。

ヘルシンキ市内の地下鉄も含む公共交通機関は HSL という組織にて全て管理されています。

そのため HSLチケットを持ってると、上記4つの乗り物を全て1つのチケットで利用することができます

また、日本にあるような改札はなく、チケットはアプリで買うか、各駅や R-Kiosk で購入できる紙チケットを所持しているだけで十分です。

そのため、最初は一緒に電車などに乗っていた両親も、最後には彼らのみで私たちの家まで来ることも簡単にしていました。

また、短時間に複数回乗るのであれば1Dayチケット、滞在期間に応じた日数分の割安チケットなどを購入するのも簡単です。

地方を訪れるのであればヘルシンキほど便利なものはありませんが、それでも観光にきて困るようなことはありません。フィンランドでは基本全てのことが時間通りに進むため、スケジュールを立てたりする際にも困りません

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バスに揺られる父と母
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最終日には自信満々に電車を乗りこなしてた両親

犬がどこにでもいる

フィンランドでは文字通り犬がどこにでもいます。

気づけば私にとっても当たり前の光景になっていましたが、日本から来た両親にとっては新鮮な光景だったそうです。

カフェやショッピングモールはもちろん、空港やホテル、電車やバスにも当たり前のように犬がいます。

私たちも飼い犬と共に定期的に電車やバスに乗る機会がありますが、もちろん誰も変な顔はしません。

また、ドッグパークも至る所にあるため犬にとっては最高の国の一つだと思います。

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積極的に犬とコミュニケーションをとっていた父
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地下鉄に一緒に乗った際の内山家のロキとリロ

日本ほどの注意喚起や厳しいルールがない

ここで誤解しないでいただきたいのは、「リスク管理が杜撰という意味ではなく、皆が当たり前にルールを守り、何か起きれば自分の責任という文化」が根付いているということです。

決して好き勝手他人に迷惑をかけて良いというわけではありません。フィンランド人は決してそんなことはしません。

前置きはこの程度にして、両親はたびたび 「日本だったら〜だよな」、「日本だったら〜は難しいよな」という光景に出会っていたそうです。

例えば、
路面電車と人々が行き交う道路の境目に目立つ壁のようなものがない
サウナにも日本で見かけるような大量の注意書きはない

など、例を挙げればきりがないくらい注意書き、リスク管理の方法の違いに驚いていたように見えました。

日本では美徳とされている、「配慮や丁寧」といった部分が、フィンランドではあくまで、「最低限の提供はするからあとは自己責任にて判断してください」、というスタンスにて皆のストレスが少なく社会が回っているといった感覚なのかなと思います。

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路面電車の線路はこんな感じで
歩行者・バイクレーンのすぐ隣にある

本当に赤ちゃんがサウナにいた

サウナで有名なフィンランドですが、噂通り本当に赤ちゃんでも一緒にサウナに入ります

これは両親の滞在期間に一度、妻の家族も含めた大人数でヌークシオ国立公園内にあるサウナの貸し切りをした時の話です。

妻の兄夫婦にはまだ1歳半くらいの子供がいるのですが、その子も私たちがロウリュしながら入っていたサウナに当たり前のようにいたのです。

日本だとその年齢の子供をサウナに入れることなんてまずありえないと思うのですが、フィンランドでは当たり前なのです。

それを見た両親はかなり驚いていました。

話を聞くと、生後数カ月から家族に連れられてサウナに入るのがフィンランドでは普通で、その影響もありほとんどのフィンランド人は泳ぎも堪能なのだとか。

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実際に皆でサウナに入った時の写真

大自然でのベリー取り放題

フィンランドと言えば夏の美味しい森のベリーたちも有名です。

ということでネークシオ国立公園内でベリー摘みもサウナの前にみんなで行いました。

森を歩くと探す必要もないくらい大量のブルーベリーが目の前にありました。それらを摘み、同時に味見。すると両親は大感動。

ハイキングが一番の目的でしたが、皆でブルーベリーを摘んでいたこともあり、終始早歩きなハイキングになりました。

時期的に、その時はブルーベリーがほとんどでしたが、野イチゴやラズベリー、リンゴンベリーといった様々なベリーが楽しめるのもフィンランドの夏の風物詩です。

日本の某有名テレビ番組でも放送していたベリー摘みを両親と一緒に行えてよい思い出になりました。

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ベリーの写真を撮る母と食べまくる父
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仲良くベリー摘みをする妻と母

まとめ

今回の両親のフィンランド訪問は、私にとってフィンランドの良さや素晴らしさを再認識する良い機会になりました。

フィンランド生活四年目に突入し、残念なことにフィンランドに慣れつつあります。来た当初と比べると感情を揺さぶられる機会は明らかに減少。

目の前に広がる日本とは違う素晴らしい光景にも、当たり前という感じが否めず普通に過ごしていました。

しかし、今回ヘルシンキ周辺の観光地を一緒に回ったり話しているうちに、改めて素晴らしい地で生活させてもらえているんだなと再認識させてもらいました。

そしてなんと言ってもフィンランド人は優しい

もちろん日本が大好きなので、将来的に日本での長期滞在も視野に入れていますが、現実的な生活拠点はしばらくフィンランドになる見込みです。

そういった中で、このように定期的に新たな刺激とともに物事を見ることは欠かせなくなってきます。

そのため、今回の両親のフィンランド訪問にはとても感謝しています。彼らも妻の家族も楽しんでいたと思うので皆にとって素晴らしい時間になりました。

日本には日本の良さがあり、フィンランドにはフィンランドの良さがある

数か月後には妻の両親が北海道を訪問することになっているのでそちらも今から楽しみです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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