時折ふと、フィンランド人たちは意味のない時間を過ごすのが上手だなと思うことがあります。
決して悪い意味ではなく、むしろ羨ましく思う部分で、言い換えてみると、何かの能力を伸ばすことに固執せず、目の前にあるもの・その瞬間を楽しむ能力に長けているという言い方を自分の中ではしています。
日本でいういわゆるいい大人の年齢になっても、フィンランドではピクニックやアウトドア、散歩やゲーム、自分の趣味に費やす時間がしっかりあり、多くの日本人のように常に何かの不安に駆られているような感じはしません。
(多くの日本人と表現しましたが、少なくても私がまさに常に何かしらの不安を抱えているような性格で、私の周りにも同じような考え方をしている仲間がいたり、何か不安に駆られながら過ごしている日本人は少なくないだろうとのことで多くの日本人というくくりで話させてもらっています。)
もちろんフィンランド人の中にも、私たちのように常に何かの不安に駆られながらもがいて生きている方もいるでしょう。
※私たちのように不安や時間に追われながら生きることがダメだということを言いたいのではなく、あくまでここでは別の時間軸、感情軸で生きているのがフィンランド人で、その生き方も素晴らしいということをシェアしているだけです
しかし、多くのフィンランド人から受けるポジティブな印象として、何もない余分な時間づくりを大事にしており、一見すると全く生産性が感じられません。
サッカーの現場で見て考えてみても、誰も苦しいことをやりたがらず、徹底して嫌なことや苦しいことへの反発を示します。(日本だとそれらの感情はあまり表へ出てこない印象)
しかし、その裏にある他者から見えない部分で、そこに至るまでの絶え間ない努力や苦難を乗り越えてきている感がフィンランド全体に感じられるのも、私がフィンランドの実は高い生産性とスローライフをリスペクトしている大きな理由です。
四六時中気張っていても生産性は上がらず、オン・オフのメリハリが大事だと本当の意味で理解しているからこそ、一見してみると生産性がなさそうに見える余暇活動時間でも実は生産性があるのかもしれません。
その結果として、フィンランドの一人当たりGDPは実は日本よりも上位に位置いています。これに関して今回これ以上触れることはしませんが、一つの指標としてフィンランド、又は北欧特有の一見そうは見えないにもかかわらず実は高い生産性・スローライフ文化のようなものは実は結果にもうまく結びついているのです。
私も彼ら特有の生き方についてはまだまだ実体験を通じて勉強している身なので、どんな形やライフスタイルが自分や家族にとって最適なのかを時間をかけて探し続けます。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
『J. FOOTBALLER』では、海外でプレーする日本人選手からの寄稿を募集しています。所属カテゴリーや寄稿の頻度を問わず記事ページをご作成いただけますので、海外での日常やサッカー生活について発信したい方・ご自身のPRに活用したい方は、是非ご利用ください。
