「早くもっと上のリーグへ」北欧から見据えるステップアップ【渡辺 潤之介選手インタビュー|前編】

渡辺 潤之介選手
渡辺選手Instagram

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大卒後のフィンランド移籍、現地で学んだ"戦う"マインド

大学卒業後には生まれ育った関西地方を、ひいては日本を離れ、EPS(フィンランド3部)の一員となった渡辺選手。どのような経緯をたどり、海外移籍を決断するに至ったのだろうか。

「大学卒業後に日本でプロになるっていうのは、もう大学2~3年生ぐらいには『無理だな』と思っていて。どうサッカーを続けるのかは具体的に考えずに、大学生活を送ってたんですけど。

大学4年生になり、就職活動もしないといけない時期になってきて、その時から本気で自分の卒業後を考え出して。普通の大学生みたいに就職活動もしていたんですけど。

はじめは就職したらサッカーを辞めようと思ってたんですけど、自分の中で『いや、サッカーから離れられへんな』って、どんどん思い始めてしまって...」

生まれてこの方、多くの時間を共にしてきた「サッカー」。就職を間近にし、想いは一層強くなった。

「でも社会人でプレーするよりは、やっぱり『サッカーだけで生活したい』っていう気持ちがすごく強かったので。

そうなると、日本より海外に出た方が良いんじゃないかと思って。先輩だったり、エージェント会社の方だったりに相談しました」

特にエージェント会社のスタッフとは密にコミュニケーションを重ね、移籍先選びに奔走した。

「地域はもちろん、サッカーと言えば"ヨーロッパ"かなと思っていたので。

ただ22歳で海外に出るってなると、そんなに若くないので、早くステップアップして上のカテゴリーでやる必要があったので。ドイツ・スペインとかに行ってしまうと、中々上のレベルが高くて、ステップアップに時間が掛かってしまうんじゃないかと。

なので、小国・中堅国っていうところを選び方の指標にしました。

あと、過去に日本人があんまり行ったことのない国に行きたいと思っていて。

それプラス、海外でサッカーをするなら、英語も身に付けたいなと思ってたので。英語圏、英語圏じゃなくても、基本英語が使える国だったら良いかなっていうのと。

この3つの条件で国選びを始めました」

ステップアップから逆算した移籍先の選択。エージェントと共にリサーチを重ね、最終的には全ての条件にマッチするフィンランドへの渡航を決意した。

「渡航後は、現地でサポートしてくれる方と連絡を取りながら、色々練習参加に行くっていう感じで。

最初は2部のチームのトライアウトに参加させてもらって、結果的に契約はできなかったんですけど、そこで初めて海外のサッカーに触れて。

『日本人の方が上手いな』っていう印象はあったんですけど、『戦う』ところであったり『負けたくない』っていう気持ちであったりは、やっぱり海外の選手の方が強いし、そこで違いをすごく感じました」

トライアウトと言えど、海外クラブでのプレーはキャリア初。日本では感じられなかった「ギャップ」を肌で感じた。

「日本との違いは、簡単に言えば"フィジカル"とか"気持ち"って一言になってしまうんですけど。でも、やっぱりそれは技術を上回ってくる時があるなって度々感じていて。

日本の選手は技術がすごく高くて、めちゃめちゃ上手くてもプロになってない人も居るんですけど。逆にフィンランドでは、日本人より技術がなくてもプロのリーグでやっている人が居て。

実際にプレーしていても、体にぶつかって来て、足ごとボールを取ろうとしてくる時とかは、やっぱり"技術"だけじゃ全然通用しない世界だなと感じています。

あと、例えばトラップをミスってしまった時、日本の選手だったら『ああ...』ってなってしまうと思うんですけど、フィンランドの人はもう1回自分のボールにする気持ちが強くて。

そこに留まらず、そのままミスったボールに突っ込んで行って、マイボールにするシーンがすごくあるので。

戦うところだったりは、意識で変わる部分かなと思ってたので、次のチームのトライアウトからはそこを意識するようにしました」

フィンランド人選手たちから多くを学び取りつつ、次なるトライアウト先には前述のEPSを選択した。

「EPSは3部で、もちろん2部よりレベルは少し落ちてしまうんですけど、気持ちの部分とか、強さとか、"強度"は全然日本より高くて。

契約の話をもらった時に『このチームでも1年間やれば成長できる』と思って、契約を決めました」

(2023年11月17日取材)

「早くもっと上のリーグへ」北欧から見据えるステップアップ【渡辺 潤之介選手インタビュー|後編】
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