「何も保証されていなかった」自ら手にしたフィンランド移籍
2019年からレイションイスSCに在籍し、ポルトガルで過ごした約2年間。ユーラシア大陸の最西端に位置する小国では、U-23チームでのプレーや3度の期限付き移籍、骨折による長期離脱をはじめ、数多くを経験した。
「もちろんトントン拍子で上に行くのは、一サッカー選手として1番の喜びや目標ではあるんですけど、そう人生はうまくいかないので。
でも、そんな中でも諦めずに続けられたっていうのは、また1つ成長したんじゃないかなと思っています。
今も自分の中でプラスになっていますし、サッカー面でもそうですけど、サッカー以外に”人”として成長させていただいた期間ではあったのかなと実感していますね」
レイションイスSCを退団した後は、再び新天地探しの日々へ。ドイツ、ポルトガルとは打って変わって、次なる所属先には北ヨーロッパの国々が候補に挙がった。
「(上述の骨折による)術後、半年間リハビリをしていて。もう身体も万全に治って、試合もできる状態に戻って、ずっとエージェントの方とコンタクトを取っていたんですけど…。
僕が『もう行けるよ』っていうタイミングの時には、色んな国のマーケットがほぼ全部閉まっていて。唯一開いていたのは、フィンランドとかの北欧だったんですよね」
移籍が実現するか否かは、各国内の移籍期間にも左右される。
例に漏れず、菊池選手の前にも移籍期間の壁が立ちはだかったものの、エージェントが知るポルトガル人フィジカルコーチとの関係から、IFグニスタン(フィンランド2部所属)とのコンタクトに成功。
しかし、クラブからの返答は決して望ましいものではなかったようだ。
「『来ても練習参加できるか分かんないよ』とは言われてたんですけど、でも僕は『行く』と言って。現に航空チケットを取って、フィンランドへ行きました。
着いても、別に何も保証はされていなかったんですけど、向こうが『あ、来たんだ』ってなって。
それで翌日から練習参加させていただいて、契約に至ることができました」
自ら実力を証明し、勝ち取ったクラブとの契約。2022年からは、北欧の地へ活躍の場を移した。