試合直後に社長室へ、ポルトガルで掴んだ初のプロ契約
「僕がドイツにいた頃、シント・トロイデン(ベルギー1部所属)に、僕の1個下の小池 裕太(現 横浜F・マリノス所属)が在籍していて。よく連絡を取ったりしていたんですけど。
たまたま裕太がエージェントの方と一緒にいる時間帯があって、僕はどうしても『見てもらいたい』気持ちがあったので、ベルギーに会いに行きました」
移籍、契約、それらに繋がるコネクション…。エージェントの存在は、サッカー選手のキャリアを大きく左右し得る要素だ。隣国ではあるものの、国境を越えて、自らベルギーへ足を運んだ。
「その方とお話をして、そしたら一度僕の試合を観に来てくれることになって。
実際に来て、観ていただいて、僕をサポートしていただけることになりました」
ドイツでのシーズンを終えた後は、上述のエージェントによる協力の下、ポルトガルへ移動した菊池選手。更なるステップアップに向けて、新たにクラブを探し求めた。
「最初はリスボンにある3部のチームへ行って、トライアウトを受けたんですけど、なんか『やれちゃう』っていうか。
ポルトガルって移籍が激しくて競争がすごいので、どんどん上に行くために重要な場所ではあるんですけど…」
先々の移籍に向けたメリットはあるものの、レベル感は今一つ。どことなく物足りなさを感じた。
「そんな中、もしかしたら2部のチームが見てくれるかも知れないことになって、ポルトガルの上の方にあるポルトへ移動して。初日にそのチームの公式戦を観て『ああ、面白いな』と感じました。
そこから2日間トライアウトを受けて、来年2部に上がってくるチームとの練習試合が最終日にあって、僕はそこで1ゴール・1アシストを記録できて。
自分の中で内容にもしっくりきていたら、試合が終わったすぐ後に『社長室に来て』と言われて、その場でサインすることになりました」
上述のトライアウトの末、2019年6月にレイションイスSC(ポルトガル2部所属)への移籍が決定。
自らの力で、念願のプロ契約を掴み取り、晴れてプロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせた。