「サッカーというか、半分”ラグビー”」NZ式サッカーと出国前の練習参加
一概に「サッカー」と言っても、国々によって特徴は千差万別。世界各国のサッカーには、それぞれのスタイルが確立されている。松本選手が身を置くニュージーランドでは、一体どのようなサッカーが繰り広げられているのだろうか。
「サッカーというか、半分ラグビーですね。オールブラックスみたいなガタイの人がサッカーをしているので、ぶつかったら”交通事故”ですし。
あと、全員普通にラグビーが上手いんですよ。ラグビーでプロになれなかったからサッカーをしている人も結構いますし」
ニュージーランド式サッカーの特徴は、観客席にも表れているようだ。
「タックルが大好きで、ぶつかるのが”文化”というか。ぶつからないようにしたら『逃げるな』みたいな感じで観客席からブーイングが起こりますし。
本当に”フィジカル大国”ですね」
「柔よく剛を制す」とは言うものの、その「柔」をも凌駕する「剛」を備えるニュージーランド人選手たち。
日本国内では、ファンや交友のある選手の間で、身体能力に定評のある松本選手だが、コンタクトプレーに苦労することもあるようだ。
「全然こっちでは吹っ飛ばされることもあります。ライン際でぶつかって看板の外までぶっ飛んだこともありますし。
こっちに帰って来た初日に、一発目にぶつかったときにバーンって飛ばされそうになって。やっぱりフィジカルが全然違うなと思いましたね。前に居たときもこんな感じだったなと」
ただし、出国前に経験した「練習参加」が活きているとも松本選手は話す。
「こっちに来る直前に、JFLのクリアソン新宿で練習参加させてもらってたんですけど、それが自分にとって凄く大きくて。
トップのレベルで一定期間しっかりと練習させてもらえたのは、目を怪我してから初めてだったので。それがあったからニュージーランドでもすぐに対応できたと思います」
参加期間中はプレー面でも刺激を受けたが、ピッチの外でも多くを感じた。
「『出国する前にコンディションを上げたいのでしばらく練習参加させて欲しいです』っていう風にお願いしたら、本当に快く受け入れて下さって。
あとは、サッカーが上手いのはもちろんなんですけど、選手・スタッフ全員が本当に素晴らしい人間性の方々しかいないというか。
『サッカーが上手いだけじゃダメだな』と改めて思わされました」
決して期間は長くなかったが、自身に多くをもたらした練習参加。その経験がニュージーランドでのプレーを大きく後押ししているようだ。
(2023年9月23日取材)