納得がいかない日は夜中にも自主トレ、ドイツで過ごした1年間
FCヘンネフ05では、リーグ戦25試合、カップ戦2試合に出場し、計7得点をマーク。日本国内との違いも感じつつ、実戦で経験を積み重ね続けた。
「日本で言う、わりかし大きい方って結構俊敏性に欠けたりするんですけど、ドイツの方々はそれでも足が出てきたり、ある程度動ける方が多くて。
初めて海外を経験した方が口にする『脚が伸びてくる』という意味を、アマチュアの僕でも感じた部分がありました。
ただ、日本の方が足元の技術だったり、ポゼッションだったりはとても上手で、充実感あるフットボールをすると思います。だけど、試合を終えた時にどっちが勝っているのかと言われると、それは『?』かなと。
結局、最後の最後で守られてしまう部分だったり、最後にどんな形であれ決めてくる、その決定力の高さだったりを感じました」
一方で、ピッチの外においても、ドイツならではの「サッカー文化」を痛感した。
「どこのクラブも全部ジュニア、ジュニアユースから、しっかりとした子たちが育成されていて。クラブハウスがめちゃくちゃ綺麗とか、そんな訳ではないですけど、基本的に人工芝のコートが2面、天然芝も1面あるとか。
サラリーマンの方たちも、休憩時間に誰でも使えるフットサルコートへ来て、スーツのまま汗を流して、バチバチにやり合って、すぐネクタイを締めて仕事に戻るみたいな。
そんな姿を見てきたので、本当に凄い”文化”なんだなっていうのは、近くで感じました」
シーズン後には、上述のパフォーマンスに目が留まり、3部リーグ所属クラブの練習に参加するチャンスを手にした菊池選手。4部を飛ばしてカテゴリーは一気に2つ上がったものの、ピッチ内では確かな手応えを掴んだ。
「僕の中でも全然『やれるな』っていう実感はあって、いよいよプロになるチャンスが来た間近で、監督が解任になって。次の監督からは練習参加の条件が得られなくて。
その時は一瞬落ち込みましたけど、良い経験になったかなという風に思っています」
順境の中で訪れた、思わぬアクシデント。決して一筋縄ではいかなかったものの、ドイツでのシーズンは自身にとって重要な期間になったようだ。
「本当にサッカーにフォーカスした1年間で、チーム練習がない日はずっと自主トレをしていましたし、ジムにも行きましたし、グラウンドに行って、友達誘って一緒にボールを蹴ったりとか。
試合で納得がいかなかった日は、夜中でも街灯の下でボールを蹴ったり、ドリブルをしたり。
自分なりに『上に行きたい』気持ちを持ったまま挑めていたので、僕の中ではとても大事な1年間になったんじゃないかなと思いますね」